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okuizumo

Tatara and Okuizumo 

奥出雲の刀プロジェクトはたたら製法よる刀の素材である玉鋼と奥出雲の成り立ち、古代からの歴史を包括するものです。製品のみを取り上げてデザインすることなく、地域の魅力や歴史、人材や風習を素材ととらえ、”たたら製鉄”の面白さを伝えるために2018年から始まりました。
”たたら製鉄”をする際の材料は山から取るため山を切り崩し、砂鉄を川に流しては量産していました。切り崩された山はその後棚田になり良質なコメをつくる土壌になっていきます。
棚田が風景をつくり地域の資源にも変わります。米から酒もつくられる循環型の社会が当時からできていたのです。

 

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たたら製鉄は刀や鍛治の道具の材料をつくる手法でなく、良質な砂鉄がとれた地域を意味付ける工業であったし日本の刀の歴史上、地理上なくてはならないリソースになっています。 製鉄の手法は非常に高度な土木技術と技法の集大成で、刀の生産が収束したあとも刀匠とともに神事として現代に受け継がれています。毎冬の1月に1200度を越すオープン窯での鉄をつくるたたら作業は昼夜を通して10日もつづけられて日本人のみならず、多くのツーリストにとっても奥出雲にとっては重要な行事となっています。プロジェクトでは三人の刀匠の協力を得て奥出雲の自然からの風景や自然の要素を抽出して3つの刀を提案しています。

 

ganzanGANZAN

山から切り出した砂鉄を含む岩石を重ねた自然がモチーフ。
太く長く、叩き出しの手わざの残る表面仕上げなどがデザインの特徴となる。刀匠が叩き出しながら形をつくるとき、玉鋼はその性質が変化して、荒い分子構造からマルテンサイトとよばれる金属の分子構造になります。この刀は、左右が異なる断面になっており、彫刻的な立体的で力強い形をつくっています。鞘のデザインも同じ岩のモチーフを利用した構成になっており、少し浮き上がったパターンが木の鞘の表面を覆い尽くし、中に入った刀を予感させています。鞘の手元には玉鋼がモチーフの中に収まっており、玉鋼は刀と鞘を止めるための目くぎでもあるのです。表には加工を施さない玉鋼を埋め込むことはたたら製鉄のある奥出雲刀を表すモチーフなのです。

 

nagareNAGARE

奥出雲の山の谷間を流れる川をデザインモチーフに、月山派に代表される彫刻的なテクニックをイメージ。華奢で筋肉質かつ機動的で比較的小さい刀をデザイン。刀の手元にある水たまりが刀身に流れていく様をデザインで表現している。溝部分には水を表現した月山派らしい手彫りの彫刻が施されている。刃紋はこの中央の水を表現するために細かく目立たない程度に作っていただくことを予想している。鞘は段になった断面は棚田を表現しており、奥出雲の棚田の景色や山の等高線をデザインしている。手元の刀を止める小さなピンはGanzan KATANAとおなじく玉鋼の表面の形を生かした目釘になっている。

moonsasaMOONSASA

作刀した高田刀匠はこれまでの刀の常識を破る多彩な技術で傑作の刀を国内外で発表しつづけている吉原刀匠の弟子にあたります。
金属で有名な高岡ー富山に工房があることから、古くて新しい現代の新しいスタイルの刀として位置付けを狙った刀です。デザインモチーフは月下の笹。高岡の金属の特殊加工である黒染め技法を初めて刀に応用しており刀身は全体に黒く、刃を含む刀身全体のエッジのみがシャープに磨かれて白く輝ています。全長は1mを越し、刀身だけでも930mmある長さはエレガントで繊細です。直刃構成のこの刀は右側面にのみ”しのぎ”を設け、非対称で笹の葉のデザインを表現もしています。夜の笹葉をモチーフにしていることから鞘は黒竹のイメージで、ツヤのある漆の黒塗装で、玉鋼の表面をそのまま利用した目くぎが光るアクセントにもなっています。

 

Okuizumo Katana Project Exhibition

From Feb. 5th to May 10th 2020, the Okuizumo Katana Project will be displayed at Okuizumo Tatara Sword Museum.

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